千年を優に超え、伽藍説法は未来へと続く。安芸国分寺
国家鎮護の願いが今なお、ある。 聖武天皇が人々の平安と国家鎮護を旨として「必ず良い場所を選び長く保つように」と国分寺建立の詔を発したのは天平13年(741)年のこと。 各地で土地の選定が始まるが、なかなか思 […]
想像し、掻き立てられ、足を運び、
刹那なのだけれど後日記憶としていつまでも残るような旅から
遠ざかってしまってはいないだろうか。
どのような土地にも、現代に至るまでの、物語がある。
物語に触れ、想像しながら歩き、深さを知ろう。
国家鎮護の願いが今なお、ある。 聖武天皇が人々の平安と国家鎮護を旨として「必ず良い場所を選び長く保つように」と国分寺建立の詔を発したのは天平13年(741)年のこと。 各地で土地の選定が始まるが、なかなか思 […]
“土地”が“まち”へと変わっていく中で 大正2年(1913)に笹塚―調布間が開通した京王電気軌道(現在の京王線)は、大正4年(1915)に調布―新宿間も開通。東京都郊外で自然豊かな場所だった調布市は、この頃 […]
御食国から、鯖がつないだ海と都 若狭湾に面した福井県小浜は、日本海側では珍しい大規模なリアス式海岸を有し、若狭ぐじ、日本一寒い場所で育つ若狭ふぐ、夏に旬を迎える岩牡蠣、鰈に鯖と、豊富な海産物を産出する地域。 […]
陸に上がった洋食が、続く。 大阪の綿布問屋「根津清(通称)」の救済のため、同店から支援を受けていた谷崎潤一郎らが出資して 大東正信氏が昭和7年(1932)にオープンさせたレストラン「ハイウェイ」。 日本で初 […]
箱根と並ぶ東海道の難所へ 三重県まで鰻を食べに行こうか。 ふと思い立って車を走らせる。 三重県、特に津市周辺は海と川が近く、河口でシラスウナギがよく獲れたようだ。江戸時代には食べられていたようで、昭和前期に […]
静かな、静かな山陰の町。 京都府と兵庫県の境、日本海側に久美浜町がある。小天橋砂州によって日本海と隔てられた久見浜湾があり、静かな、そして眺めの良い町だ。 小天橋というのは、久美浜町東隣の網野町浜詰から7キ […]
1本1本、色も見頃も異なるヤマザクラ。 関西の桜の名所に、吉野山がある。古くは役小角(役行者)が山桜の木に蔵王権現を刻み、中世の天皇や貴族が吉野山参詣を兼ねて桜を愛でた。現在も3万本ほどの桜が、多くの人の目 […]
和食とは何? コロナ禍が落ち着きを取り戻し始めた2023年、諸外国からまた日本へ多くの人が訪れるようになってきた。 京都や大阪で、訪日している外国の方に話を聞く機会が何度かあり、その際に必ず尋ねるのが「訪日 […]
東京・神田。ミニ神社のまち。 神田に宿をとる機会があり、翌朝がのんびりと始まる日程だったため、早起きして、JR神田駅界隈を散歩した。 神田には、小さな神社がたくさんある。そしてほとんどを、各町内会の方々が守 […]
お総菜的な魚のフライといえば。 食堂の定食やスーパーなどで買うお総菜で、魚のフライといえば、アジフライを思い浮かべる。が、旅先の、特に海が近い町では、違う文化に出合うこともある。 調査取材で北海道の十勝平野 […]
洛西の山間に閑居あり。 京都はいつも、訪れる人で込んでいる。 そんな印象だ。 インバウンドが復活し始めて世界各国からたくさんの人がまた来るようになった。もちろん日本人観光客も多い。言わずもがな、郊外ではなく […]
スロウでのどかな、市民の足。 始発駅から終点までの距離2.7キロ、所要時間はわずか8分。 紀州鉄道は、単独路線としては日本で市番短い鉄道。住宅の間を建物スレスレに毎日走る。時速は20キロほど。ローカルであり […]
巨樹が今なお新たに発見されている? 日本は、どんな地域を旅していても、たいてい巨樹・巨木に遭遇する。 素通りする手もあるのだが、立派な立ち姿は、目にして帰りたいもので、立ち寄り、幹の周りを歩いたり、見上げた […]
レジャーブームで海水浴場と民宿のまちへ 夏。海水浴シーズンに、山陰の小さな集落・佐津を訪ねた。 白砂青松のコンパクトな海水浴場と、その岸部まで歩いてゆける距離に散らばっている民宿があり、日本海につながる佐津 […]
実は正式点灯の3年前に、一度輝いていた。 本州最南端の地として知られる、和歌山県串本町の潮岬。ここには、明治6年(1873)から正式点灯を開始した潮岬灯台がある。建設当初は木造八角形で、パンフレットによると […]
洗うだけではない楽しみがある、銭湯だが。 日本は温泉大国であると同時に、公衆浴場が多い国でもある。 もともとは「湯屋」として仏教伝来のあと寺院に誕生し、布教やそれに近い目的で、蒸気風呂として提供されることか […]
みかんの里の山深く、さらさらと落ちる滝の袂に、小さな祠 みかんの産地で知られる和歌山県有田川町。町を東西に流れる有田川から北へ延びる県道159号線(海南吉備線)は、記紀に日本における柑橘の発祥の地と記される […]
止まった時間は、いつのことか。 数年前のこと。JR因美線美作滝尾駅訪ねた。現在も昭和3年(1928)開業当時の木造駅舎が残り、線路脇から田んぼが広がっている風景に、時間が止まっているかのようだ、とも形容され […]
住吉の地で、山幸彦の伝承に触れる。 古事記は、いつ読み返しても壮大なロマンを感じさせてくれる。 ファンタジーのようでもあり、この国の成り立ちについて考えて見る機会をもらえたり、読了後に日常の何気ないことに目 […]
冬のはじまりは、そわそわする。 毎年11月初旬は、初デート前夜のように落ち着かなくなる。日本海の冬の味覚、松葉がに漁が始まるからだ。解禁日は11月6日。翌7日にはお店に並ぶ。 以前兵庫県北西端の町・浜坂で解 […]